角膜疾患の治療近視、遠視、乱視矯正
PTK(エキシマレーザー治療的表層角膜切除術)
PTK (Phototherapeutic Keratectomy)とは
PTKとは、レーザーの一種であるエキシマレーザーで混濁した角膜の表層部分を平滑に削り取り、角膜の透明性を向上させ視力の改善を目指す治療法です。
角膜の表層を直径6 mm前後、深さ0.1~0.15 mmの範囲で削ります。角膜の中層や深層に濁りがある場合、これを削り取ることはできませんが表層の濁りを除去した分、視力の向上が見込めます。
近視・遠視・乱視の屈折矯正の治療にも用いることがあります。
手術手順
- ベッドに横になり、点眼麻酔を行います。
- 個々の検査データに基づき、混濁の深さ・切除量等をコンピューターに入力。
- 施術医は角膜混濁の切除状態を確認しながらレーザーを照射。充分な照射ができた時点で終了します。照射時間は約60秒前後です。
- 保護用のソフトコンタクトレンズを装用します(上皮の治りを助ける為に数日間の装用が必要です)。
- 別室で(目を閉じて)30分程安静後、お帰りいただきます。
適応疾患
- ・角膜ジストロフィ(顆粒状、Avellino、格子状など)
- ・帯状角膜変性
- ・感染や外傷後の角膜白斑
- ・再発性角膜上皮びらん
- ・難治性角膜感染症(アカントアメーバ角膜炎など)
症状や病状によっては適応にならない場合があります。
■症例
角膜混濁により視力が低下しているため、エキシマレーザーで混濁を除去する。
【角膜ジストロフィ】
【帯状角膜変性】
合併症
術後、痛みがありますが、この痛みは翌日には楽になる方が多いようです。
もちろん痛みをできるだけ軽減するため点眼、ソフトコンタクトレンズ装用、内服等の処置をおこないます。次に遠視化することがあります。これに対しては術後、眼鏡やコンタクトレンズで矯正します。白内障手術時に眼内レンズでピントを調整する場合もあります。
比較的稀なものとして眼圧上昇、角膜感染症、上皮下混濁などがあり、これらに対しては点眼薬や内服薬などで対処します。
最後に患者さん自身の角膜の程度によりますが、術後濁りが残ることがあります。その場合再手術で視力の向上が見込まれる場合、レーザーの再照射を考慮します。また濁りの量が多ければそれ以上の角膜切除は難しい場合もあります。