緑内障
レーザー虹彩切開術
レーザー虹彩切開術とは
レーザー虹彩切開術はレーザー光線で虹彩(茶目)に穴を開けることにより眼球内の水(房水)を流出しやすくする治療法で、急性および慢性閉塞隅角緑内障や狭隅角の治療として現在広く行われています。レーザー治療が導入される以前は、手術で虹彩に穴を開けていました(虹彩切除術)。
治療法
- 1. 治療開始前、点眼麻酔を行いレーザー用のコンタクトレンズを当てます。
- 2. レンズを当てた後、レーザーを照射します。カメラのフラッシュのように光ります。
- 3. 照射は50発程で、10~15分程で済みます。
- 4. 通常は1回の治療で済みます。
合併症
合併症にはレーザー照射直後の角膜(黒目)の上皮あるいは内皮の混濁、虹彩炎、瞳孔偏位、水晶体混濁、一過性眼圧上昇などがありますが、これらの合併症の多くは自然治癒したり、治療により克服することができます。また、レーザーで開けた虹彩の穴が再び閉塞してしまうことがあるため、定期的に診察が必要です。しかし非常に稀に水疱性角膜症が起きることがあります。これは通常術後数年を経て起きてくることが多いです。角膜の内皮細胞が非常に少なくなり、その結果、角膜の白濁が起こることを言います。点眼治療やコンタクトレンズで軽快することもありますが、進行した場合の治療法は角膜移植しかありません。この合併症の原因はまだ良く判っていませんが、元々角膜内皮細胞が弱いため、少しのダメージで発症すると考えられています。しかし頻度としては非常に少なく、また可能な限り防止する方策をとるように私達は努力を重ねています。